演習の概要:

課題名「Flow&Stock,TaikenMarker -日々の体験を変換するライフメディアのデザイン

intro

 「体験」とは、その場・その瞬間に個人の中にリアルに存在しながら、放っておくと蒸発していくものである。そして「マーカー」は、何かをマーキングする(記しづける)道具である。自分たちが日々体験する様々な出来事は、あとになって見えてくることも多い。体験を記しづけ、楽しく見返すこと、そして新しく気付かせることをサポートするツール、それはいったいどんな姿をしているだろうか?そしてどんな物語を生み出すだろうか?


 ものごころついたときにはデジタルツールが普及していた履修生達の世代にとって、記録されたデータは多くが断片のまま放置されがちである。例えばデジカメ写真は増えてもアルバム作成のような再構築作業を行うことは減っている。しかしデータは記録された瞬間ではなく、編集・加工を通して自らの中で見返すなかで記憶となり、経験としての力を持つ。蓄積されたデータを活用し力を生み出すことについては、まだまだ多くの可能性があるはずである。


 TaikenMarkerは、広義に捉えればライフログの一種であるが、機械的なログとして一方的に蓄積されていくものではなく、面倒臭いという気持ちを越えて能動的に行いたくなる魅力を持つものを目指す。記録するモバイル機器やPC等のコンピュータを経由しつつどのように情報が流れていくか(フロー)、そしてどのように繋ぎどのように貯めていくか(ストック)、この二つの関係に着目しつつ、ユーザを長期的に持続させていくための仕組みや要因を考察する。


 課題テーマをもとに企画することを通して、新鮮なユーザ経験を持つ製品やサービスを生み出すための基本となる「考え方」を体得することが本演習のねらいである。
 半期13週間の中で、実地調査を通したニーズ探索、発想に根拠のあるコンセプト立案、そしてプロトタイピングを繰り返した最終成果物までの一連の流れの中で、人間中心設計の考え方、および各デザインプロセスにおける基礎的な方法論を学ぶ。

 

 

履修目標

  1. 基本的なヒューマンセンタードデザインプロセスを理解する
  2. 情報の構造化の手法を理解する
  3. UI設計・デザイン制作における基本的な手法を体得する
  4. チームによる長期的な工程をマネジメントする能力を体得する

 

履修者

コンテンツデザインコース2年生 課題選択者38名(6チーム)

 

face

 

対象領域

ライフログ、コミュニケーションデザイン、インタラクションデザイン、ユーザエクスペリエンス

 

演習スタッフ

●担当教員=上平崇仁、星野好晃
アシスタント=秋末敦史、吉江嶺太、高野葉子

●特別講師=渡辺英範、長谷川純一(京セラ株式会社 通信機器関連事業本部)

●演習協力=野秋浩三(NTT Docomo)、中小路隼一(セコム)、青木美穂(アラスカ大学フェアバンクス校)、栗芝正臣、山下清美、望月俊男、石橋悠子、安井良允

●Special Thanks=情報デザインフォーラム

 

過去の演習

2008年度「呼吸する文庫ー本を巡る経験のリフレーミングー」

2007年度「EmotionalCALENDAR」
2006年度「情報の積み木」