2008 Information Literacy Seminar.
先週の続きです。操作に慣れないうちは、なかなか思い通りの加工は出来ないものです。素材は自由に使えますので、空き時間に自習して制作に励んでください。
前回から引き続き、デジタル画像の編集について学ぶ。Photoshopにより2つの画像を1つの合成画像として編集し、完成した画像はIllustratorというアプリケーションに配置して印刷を行う。まだ合成画像の細部の調整が終わっていない人は、鋭意作業を進めてほしい。今回はPhotoshopにより画像編集が完成し、PSD形式で保存された続きから解説する。
Illustratorに画像を持って行く前に、Photoshopの特徴でもある画像の保存形式について学んでおこう。Photoshopは様々な形式の画像を開くことが可能であり、また様々なファイル形式に書き出すことが可能なアプリケーションでもある。以下に主なものを取り上げる。

Photoshopでレイヤーの情報を保ったまま保存できる標準保存形式。拡張子は「.psd」
Windowsで使われる汎用画像形式。拡張子は「.bmp」
web上で扱われる画像形式。8ビットインデックスカラー(1画素が256色のカラーを表示できる画像)で表現される。多階調の写真画像には向かない。背景のつかない透明GIFや1つのファイルの中にたくさんの画像をアニメーションのように並べたアニメーションGIFという画像をつくることができる。拡張子は「.gif」
ベクター形式の画像データを保存するための画像形式。印刷所にデータを渡し出力してもらうためには、画像データをこの形式にしておく必要がある。拡張子は「.eps」
web上で扱われる画像形式。24ビットフルカラー(約1670万色)が扱えることと、データを圧縮することができるので画像ファイルの情報量を抑えることができる。web上の写真画像は主にこの形式で保存される。拡張子は「.jpg」
電子文書用の形式。レイアウトソフトなどで作った書類をその書式や画像ファイルをの情報を保ったまま保存できる。個々のコンピュータの環境に左右されずに、ほぼ正確にオリジナルのイメージを再現できる。このファイルを読むためには、PDF形式に対応したアプリケーションか、Adobe社の提供するAcrobat Readerが必要。 拡張子は「.pdf」
メニューの「ファイル」→「web用に保存」を選択。プリセットを「JEPG高」に設定し、最適化チェックボックスにチェックを入れる。JPEG形式で保存。ファイル名の拡張子が「.jpg」になっているか確認する。→保存先は各自のplants_animalフォルダ。

web用に保存した画像をPhotoshopでもう一度開いて、メニューの「イメージ」→「画像解像度」で解像度と画像サイズがどう変化したのかPSD形式で保存した画像と比較してみよう。解像度が72dpiになりドキュメントのサイズがPSD形式で保存したファイルよりも大きくなっているのが確認できるはずである。また、レイヤーがひとつに統合されていることも確認してほしい。現在のモニタで表示可能な解像度は100dpiぐらいまでとされている。したがって、web用の画像は72dpiで保存されるのが一般的である。

Illustratorを立ち上げる前に、配置する画像の準備をする。まず、Photoshopで制作したPSDファイルを開く。メニューから「イメージ」→「モード」を確認し、「モード」が「RGBカラー」になっているので、これを「CMYKカラー」に変換する。

CMYKモードに変換すると以下のようなアラートがでるので「結合」ボタンをクリックしてレイヤーを結合する。

モードをCMYKに変換したら、メニューの「ファイル」→「別名で保存」を選択→保存形式「Photoshop (PSD)」を選択 して、自分の「plants_animal」フォルダにファイル名を変えて保存。

今回は端末室のプリンタや家庭用のインクジェットプリンタを想定して印刷データを作成したため画像のファイル形式をPSDにしているが、実際の印刷所などにデータを持ち込んで印刷する場合には、ファイル形式を「PhotoshopEPS」形式で保存しなければならない。3年次のプロジェクトや卒業制作で外部の印刷所にお世話になることもあるだろうから覚えておいてほしい。なお、「PhotoshopEPS」形式で保存すると下記のような保存オプションがでるので、プレビューを「TIFF(8bit/pixel)」を選択し、エンコーディングを「ASCII85」を選択すること。

先ほど、web用に保存したJPEG画像を開き、メニューの「イメージ」→「画像解像度」を選択。画像の再サンプルのチェックをはずし、画像の「幅」「高さ」「解像度」がリンクされたのを確認したら、解像度を72dpiから144dpiに変換する。この時、解像度が2倍になることによって画像のサイズが1/2になることに注意する。これは、解像度(1インチあたりのピクセルの数)を上げることにより、画像のきめ細かさは2倍に向上したが、大きさはその分小さくなるということである。

PC上で印刷物を制作したり、ロゴ、地図、グラフ、web用の素材など様々な用途に使われるアプリケーションである。特に詳細な文字組設定やベクトルデータを簡単に扱えることからポスターなどの印刷物を制作するDTP(Desk Top Publishing)に欠かせないアプリケーションである。Photoshopでは主にビットマップ画像を扱うことに優れたソフトであるが、Illustratorのようにベクトルデータを扱うソフトをドロー系ソフトと呼ぶ。実際にIllustratorにデータを配置して、印刷してみることで解像度の違いや、モードの違いを理解してほしい。
「スタート」→「すべてのプログラム」→「Adobe」→「Adobe Illustrator CS」を選択する。起動したらメニューの「ファイル」→「新規」で新規ドキュメントを作成する。名前をつけて、アートボード設定のサイズをA4、単位をミリメートル、カラーモードをCMYKカラーにする。

今回はIllustratorの細かな使い方については解説しない。ただし、プロジェクトなどで印刷物をつくる際には必ず役に立つソフトなので「ヘルプ」や市販の解説本、web上の解説ヘルプなどを参照して、空き時間に使い方を学んでおくとよいだろう。特にデザイン系に興味のある学生は、PhotoshopとIllustratorは使えるのが前提となっているので、積極的に学んでほしい。
白いアートボードが新規ドキュメントとして開くので、ここに画像を配置する。メニューの「ファイル」→「配置」を選択し、各自の「animal_plants」フォルダから、カラーモードをCMYKに変換したPSDファイルとweb用に保存し144dpiに解像度変換した画像を選択し配置する。Illustratorは画像を配置しているだけで、Illustratorのファイルに画像が埋め込まれているわけではない。したがって、画像ファイルを別のフォルダに整理し直したり、誤って捨ててしまうと画像が表示されなくなるので注意すること。

配置した2つの画像にそれぞれキャプションをつける。創造した生物の名前、画像形式(PSD形式とかJPEG形式など)、画像解像度をIllustratorの文字ツールを使い記述する。また、紙面の左上部に「animal plants」と題名をつけ、紙面右下部に学籍番号、氏名を記述すること。
Illustratorにおける文字の設定は、文字ツールを選択するとオプション・メニューに文字の各種設定が出てくるので、そこで設定するか、または、メニューの「ウィンドウ」→「書式」→「文字」を選択し、「文字設定」パレットを表示して設定を行う。「文字設定」パレットの方がより詳しく設定が可能。フォントの種類や大きさなど適切なものを選んでテキストを記述する。


Illustratorに画像が配置できて、キャプションなどテキストデータが書き込めたら印刷を行う。メニューの「ファイル」→「ドキュメント設定」で、もう一度用紙サイズがA4で用紙方向が「縦」になっているか確認し、OKだったら「ファイル」→「プリント」で印刷する。印刷した作品は教員に提出すること。
制作したIllustratorデータは、メニューの「ファイル」→「保存」で各自の「animal_plants」フォルダに名前をつけて保存する。保存形式は「Illustrator CS」形式。拡張子は「.ai」となる。

印刷まで完了したら、各クラスのリテラシー演習のスレッドに先ほどPhotoshopでweb用に保存した画像を投稿する。ただし、そのままの解像度とサイズでは投稿するのに大きすぎるのでPhotoshopで下記のように解像度を変更する。解像度は72dpiとする。横長な作品とと縦長の作品があるので、サイズは縦横比を固定して、どちらか大きなサイズの方を80mmにそろえることとする。解像度とサイズを変更したら別名で保存しておこう。保存先はanimal_plantsフォルダで、形式はJPEG形式で保存する。

先ほど別名保存した解像度72dpiでサイズが80mmになった画像をスレッドに投稿し、制作したplants animalの名前と制作意図や工夫したところなどコメントを書く。他の作品とも比べてみよう。*間違ってIllustratorで作成したデータは投稿しないこと。
モニタなどは「光の3原色(RGB)」ですべての色が構成されるが、印刷の現場では、基本的にCyan, Magenta, Yellow, Black,の4原色ですべての色が作られる。 原理的にはC, M, Yの3原色ですべての色を作ることが可能だが、実際の印刷物をみるとメリハリのない印刷になってしまうので、現場ではBlackの版をつくり4色で印刷されている。このBlackの版のことを「スミ(墨)版」と呼ぶ。また、この4色を略して通常は「CMYK」と呼ばれる。


Illustratorはベクトルデータを扱うソフトだが、ベクトルデータは図形を数学的な計算式で記述しているために、拡大縮小してもビットマップ画像のように画像が劣化しないという特徴がある。描かれる図形は「アンカーポイント」と呼ばれる点と点を結んで描かれており、アンカーポイント間を結ぶ線をハンドルで曲げることで図を描いていく。鉛筆で描くのとは異なるので慣れが必要だが、慣れてしまえばこれほど簡単にきれいな図形やイラストを描けるツールは他には無いので、時間があったらぜひ練習して身につけてほしい。

Photoshopのツールパレットに、「焼き込み」「覆い焼き」「スポンジ」というツールがそれぞれあったことを覚えているだろう。これらは、昔の銀塩写真の時代に暗室で現像した後、印画紙に焼き付ける時の手法(参考1、参考2)として使われていたものである。暗室に入ったことがなければ、ツールのアイコンが何をあらわすのかさっぱり分からない人も多いはずである。では、なぜそんな古い時代の特殊な喩えが最新バージョンのソフトウェアでも使われているのだろうか?その理由を考えてください。