2 Let’s Play with LED
2017.9.28 今回の講義の目標は、LEDを光らせることです。電子回路がどういうものかのかを体感してみましょう。 目次 I. Basics of Electronic Circuit II. Devices III. LED IV. Practical Work I. Basics of Electronic Circuit この講義では、マイコンボードを中心にした電子回路(electronic circuit)を作っていきます。電子回路とは何か、ということはあまり難しく考えないことにしましょう。ここでは、様々な電子部品を電線で結んだものとしておきます。当然、電気を流します。 もう少し正確に言うと、電子部品に電圧をかけて電流を流すということになります。電子部品は、電流が流れて初めて仕事をしてくれます。小学校の時に、豆電球を光らせる実験をしたことと思います。あれです。電流はプラス極からマイナス極に流れます。電線をうまくつなぐことで、電子回路を作ります。 Voltage and Current 電圧の強さは、ボルト(V)という単位で表します。電流の量は、アンペア(A)という単位で表します。一般的に、電圧を強くすればするほど、電流は多く流れます。1.5Vの電池1つで豆電球を光らせるより、2つの電池を直列につないで3Vにした方が、豆電球は明るく光るのでしたよね。 しかし、電流を阻害するものがあります。それが抵抗です。プラスとマイナスの間に繋がれた抵抗が大きくなればなるほど、流れる電流は少なくなります。抵抗の大きさは、オーム(Ω)という単位で表します。 電圧と電流と抵抗の間には、有名なオームの法則という関係が成り立っています。電圧をE、電流をI、抵抗をRで表した時、以下の関係が成り立っています。 E = R×I これは式の変形を行うと、以下のようにも表せます。 I = E/R 多くの場合、電圧は決まっていて、抵抗を使って電流を制御することになるので上の式の方が直感的に理解しやすいですね。つまり、抵抗R(分母)を大きくすればするほど、電流Iは小さくなります。 では、逆にRをどんどん小さくしていくと、どんなことが起こるのでしょうか。Rが0に近づくと、Iは無限大に近づいていきます。電池のプラス極とマイナス極を電線で直接結ぶと、ちょうどこのような状況になります。電線自体にもわずかながら抵抗はあるのですが、とても小さいです。このような時、回路は短絡している、あるいはショートしているといいます。ショートすると大量の電流が電子回路に流れ、電子部品は破壊され、電池は熱を発して最悪の場合発火したり爆発したりします。特にリチウムイオン充電池を使っている場合には非常に危険です。 回路は絶対にショートさせてはいけません! ショートさせないためには、適切な場所に適切な大きさの抵抗を入れる必要があります。 Serial and Parallel Circuit 回路には、直列回路(serial circuit)と並列回路(parallel circuit)があります。豆電球の例で考えましょう。豆電球を直列につなぐとは、以下のようにすることです。 豆電球は、光を発する抵抗だと考えましょう。よって、回路はショートしていません。 並列につなぐとは、以下のようにすることです。 豆電球を直列でつなぐのと、並列でつなぐのとでは、どのような違いがあったか思い出しましょう。 直列につなぐと、豆電球を1つだけつないだ時よりも暗く光ります。 並列の場合には、1つの時と明るさが変わりません。 電池の持ちは、直列の場合には豆電球を1つだけつないだ時と同じですが、並列の場合には早く無くなってしまいます。 2つの抵抗を直列につないだ場合、全体の抵抗値は2つの抵抗値の合計になります。豆電球の場合も同じで、1つつなぐよりも2つつないだ方が、より抵抗が大きくなります。抵抗が大きいのですから、オームの法則から計算できるように、回路全体を流れる電流は小さくなります。よって、豆電球は弱く光ります。同じ豆電球を2つ直列につないだ場合、それぞれの豆電球にかかる電圧は、電池の電圧の1/2となります。 2つの抵抗を並列につないだ場合は、少し複雑です。まず、電圧から考えます。並列回路の場合には、2つの豆電球それぞれにかかる電圧は等しくなります。この場合では、電源の電圧と、2つの豆電球それぞれにかかる電圧は同じです。つまり、局所的に見ると、豆電球1つを1つの電池につないだ時と同じ電圧・電流が、それぞれの豆電球に与えらえることとなります。よって、明るさは1つの時と2つの時で変わりません。 […]