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Month: October 2020

6 PWM(アナログ出力)

October 26, 2020
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今回の講義の目的は、マイコンを使って電圧を制御することです。電圧を上げたり下げたりできると、LEDの光る強さを変えたり、モータの回転速度を変えたりすることができます。 目次 6.1 PWM 6.2 モータの基礎 6.3 外部電源を使う時の注意 6.4 DCモータを回す 6.5 ギア 6.6 サーボモータを回す 6.7 実習 6.1 PWM マイコンの世界はデジタルなので、プログラムで電圧を制御するのは、ちょっと難しいことです。そこで、PWMという手法が登場します。 これはデジタル出力を使って擬似的にアナログ出力を実現する方法だと思ってください。 仕組み マイコンのデジタルピンからの出力は、HIGH(例えば3V)かLOW(例えば0V)のどちらかだけです。しかし、0Vから3Vまでの間で電圧を自由に変えたいという場合があります。例えば、LEDの明るさを調整したい場合などです。こういう時には、PWM(Pulse Width Modulation)という方法を用います。 PWMの仕組みを一言で説明すると、HIGHとLOWを素早く切り替えることによって、HIGHとLOWの間の電圧を擬似的に作り出す方法です。以下の図をみてください。 このようにHIGHとLOWを規則的に繰り返す信号を、パルス波と言います。上記の図で示しているパルス波は、ある一定時間で同じパターンを繰り返していますね。このような繰り返しの間隔を周期と呼び、1秒間に何周期あるかを周波数と呼びます。周期の始まりは、LOWからHIGHに変わる瞬間で、周期の終わりは、次にLOWからHIGHに変わる瞬間です。周波数1kHzと言ったら、1秒間に1000回の周期が起こるような波形を意味します。 図で示したパルス波は、1周期におけるHIGH(3V)とLOW(0V)の間隔が、ちょうど1/2ずつになっています。周波数が十分に高い場合,このデジタルピンにかかる電圧は、3V / 2 = 1.5Vとなります。これがPWMです。実際に電圧を変えるのではなくて、擬似的に電圧を変えているのです。 PWMを使った場合にデジタルピンにかかる電圧は,デューティ比(duty ratio) によって決まります。デューティ比とは,1周期の間にHIGHになっている割合のことです。HIGHが3Vの場合、デューティ比50%ならば1.5V,10%ならば0.3Vとなります。 PWMを使用する場合、どのくらいの周波数が必要かは難しい問題なので、あまり深入りしないことにしますが,1Hzではだめなことは明らかです。1Hzということは、HIGHとLOWが同じ時間であるとすると1周期内で0.5秒ずつです。LEDで実験すると単に点滅するだけです。 PWMの周波数は、デジタルピンの用途によって変わるとされています。例えばLEDを使う際に必要な周波数,モータを使う際に必要な周波数という具合です。モータの場合には10kHzから20kH位が適当でしょう。LEDだと、100Hzくらいでも大丈夫だと思います。 PWMを使って電圧を制御するには、パルス波を作り出す必要があります。パルス波は、タイマを使って作ります。非常に微小な時間をタイマによって作りだし,デジタル出力をHIGHにしたりLOWにしたりします。 例えば、1kHzの周波数でPWM 制御をしたいとしましょう。1秒間に1,000周期ですから,1周期は1ms(ミリ秒)です。1周期を10段階に分けると、1段階100µs(マイクロ秒)になります。この100µsをタイマを使って作り1単位とすれば、10%刻みでデューティ比が設定できるようになります。 試してみよう GPIO Zeroには、PWMのためのライブラリが用意されています。このライブラリを使えば、プログラムする際にタイマを設定するなどの面倒なことは必要なくなります。 PWMLEDとPWMOutputDeviceという2つのクラスがありますが、ここではPWMLEDの方を使います。この2つのクラスの詳細は、GPIO Zeroのリファランスの”API – Output Devices”を見てください。 https://gpiozero.readthedocs.io/en/stable/api_output.html LEDを光らせる回路はソース電流を使って作ります。GPIOのピンは特殊用途のピンでなければどこでも良いです。ここではGPIO 17を使います。 このプログラムは、異なるデューティ比でLEDを交互に光らせるものです。デューティ比80%の時には明るく光り、デューティ比10%の時には暗く光るはずです。 PWMLEDはデフォルトでPWMの周波数を100Hzにしています。これを変えるには以下のようにします。 先ほどの例は、ソース電流を使ってLEDを光らせましたが、シンク電流でも同じことをすることができます。以下のようにPWMLEDの引数にactive_high=Falseを指定するだけです。 もう少し複雑な例を上げておきます。これは、デューティ比を徐々に増やしながらLEDを光らせています。LEDの明るさが滑らかに変わることが観測されるはずです。 デューティ比を変えてLEDを光らせる時には、デューティ比を切り替える間に少し間隔をおく必要があるということです。5msくらいあれば大丈夫だと思います。上記の例ではsleep(0.1)で100msの間隔を空けています。これを入れないと、LEDは高速で点滅しているような感じになってしまいます。 […]

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5 デジタル入力

October 19, 2020
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今回の講義の目的は、外部から情報をマイコンで受け取る方法をマスターすることです。ただし、今回扱うのはデジタル信号です。具体的には、スイッチが押されたことをマイコンで検知する、ということをやります。 目次 5.1 スイッチ 5.2 デジタル入力 5.3 チャタリング 5.4 実習 5.1 スイッチ スイッチというのは、電線を連結したり切断したりするためのデバイスです。ボタンということもあります。スイッチには様々な種類が存在しますが、よく使うものはタクトスイッチと、トグルスイッチです。 タクトスイッチ(tactile switch)とは、ボタンの形状をしていて、押すと電線が連結され、離すと切断されます。 写真のタクトスイッチはとても小さくて、5ミリ角くらいです。このタイプのものは、そのままブレッドボードに差し込んで使うことができます。 足が4つ付いていますね。これらの足は、2つずつの2グループに分かれていて、同一のグループに属する足は、常に通電するようになっています。どの足とどの足が繋がっているかは、背面にマークがあることが多いです。写真の製品の場合には、背面に線が書いてあって、繋がっている足がわかります。マルチメータを使ってどの足とどの足が通電しているか確認しておきましょう。 タクトスイッチが押された時にLEDが光る回路は以下のようになります。電源と抵抗の間にあるのが、タクトスイッチの記号です。 タクトスイッチをブレッドボードに刺す時には以下のように真ん中の仕切りをまたぐようにすると良いでしょう。 トグルスイッチ(toggle switch)とは、電線の連結と切断を切り替えられるようにしてあるスイッチです。どちらかを選択すると、他を選択し直すまで同じ状態を保ちます。 スイッチの電子部品記号は、いくつかあります。この講義では以下の2つを使います。 おまけとして、ディップスイッチの写真も載せておきます。これは、複数のトグルスイッチが1つのパッケージになったものです。 5.2 デジタル入力 スイッチの状態を感知するというのは、マイコンにとってはデジタル信号の入力を行うことです。ピンにかかる電圧は3.3Vか0Vのどちらかになり、3.3Vならば1、0Vならば0という数値で認識します。 スイッチは、直感的にわかりやすいデバイスですが、マイコンへの入力として使うときには少し注意が必要です。以下のように回路を作ると、タクトスイッチが押されたかどうかをマイコンで検知できそうに思いますよね。 しかし、これはやってはいけません。タクトスイッチが押されているときにはGPIO 17が3.3Vにつながりますから正しく検知できます。しかし、タクトスイッチが離されているときには、GPIO 17はどこにも繋がっていない状態になります。このような状態を、ピンがオープンになっていると言い、マイコンのピンでは電圧が測定できません。 また、以下のような回路もよく見られる間違いです。 この回路では、3.3Vとグランドがショートしてしまうので大変危険です。3.3Vをマイコンボードからとっている場合には、マイコンボードが破損する恐れがあります。 正しくは以下のような回路を組みます。 GPIO 17をデジタル入力として使用する際には、マンコンの中では以下のようなことが行われています。これはピンをデジタル入力として使う場合で、前回実験したデジタル出力の場合には当てはまりません。 GPIO 17をデジタル入力に使っている時には、GPIO 17の先は非常に大きな抵抗を介してグランドに接続されています。図では仮に3MΩ(メガオーム)としています。このような状態をハイインピーダンスと呼びます。GPIO 17の内部では、マイコンがこの大きな抵抗にかかる電圧を計測しています。 この例では、10KΩの抵抗と3MΩの抵抗は並列に接続されていますね。並列に接続されているということは、どちらにも同じ電圧がかかるということです。タクトスイッチが押されると、並列回路の部分に3.3Vの全てがかかるはずです。よって、GPIO 17では3.3Vが計測されます。タクトスイッチが離されている時には、GPIO 17はGROUNDとGROUNDの間の電圧を測ることになりますから0Vになるわけです。 このような回路をプルダウン回路と呼び、10KΩの抵抗をプルダウン抵抗と呼びます。 プルダウン回路とは逆に、タクトスイッチが離されている時に3.3Vが計測され、押されている時に0Vとなる回路も作れます。 これをプルアップ回路と呼び、10KΩの抵抗をプルアップ抵抗と呼びます。この場合、スイッチが離されている時に3.3Vが計測されます。 今度は、以下の図のように考えます。 タクトスイッチが押されていない状態では直列回路です。10KΩにかかる電圧と3MΩにかかる電圧の和が3.3Vになります。こういう回路を分圧回路と呼ぶのですが、これはもう少し先の回で説明したいと思います。ここでは、10KΩと3MΩの差があまりにも大きいので、3.3Vのほとんどが3MΩの方にかかることになる、としておきます。 タクトスイッチが押された状態では直列回路と並列回路の組み合わせです。並列回路になっている抵抗は3MΩとタクトスイッチです。タクトスイッチは、ほぼ0Ωと思って良いはずですね。この2つの抵抗を組み合わせた抵抗値を求めてみましょう。 1/R = 1/R1 + 1/R2 R1 が0Ω、 […]

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4 デジタル出力

October 12, 2020
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今回の講義の目的は、マイコンの使い方を理解することと、デジタルピンの使い方をマスターすることです。 4.1 マイクロコントローラの基礎 4.2 デジタル信号・アナログ信号 4.3 GPIO 4.4 デジタル出力 4.5 実習 4.1 マイクロコントローラの基礎 まず、マイコンについて基本的なことを説明しておきます。マイコンは、一般に以下の写真のような見た目をしています。 写真のマイコンは、細長い形をしていて両側に足が出ていますが、形状はいろいろなものが存在します。多くの場合、黒いプラスティックのパッケージになっています。このプラスティックのパッケージの中に、マイコン本体が封入されています。よって、マイコン本体は、もっと小さなものです。 マイコンからは、ゲジゲジの足のようなものが出ています。これをピン(pin)、あるいは端子と呼びます。マイコンは、このピンを通じて電源供給を受けたり、他の部品と連携したりします。 Raspberry Piに搭載されているマイコンは、以下の写真に示す場所にあります。 マイコンからは小さなピンが出ていますが、ものすごく小さくてプロトタイプを作る際には使いづらいことが多いです。そのため、マイコンボードは、ピンから配線を延ばして回路を作りやすい形状にしているのです。実際の製品にするときには、マイコンボードは使わずに、よりコンパクトな基盤にすることが多いです。 Raspberry Pi Zeroに搭載されているマイコンは、Broadcom社のBCM2835です。 メモリ: 512MB CPUクロック: 最高1GHz (通常は700MHz) BCM2835はシングルコア/シングルスレッドです。Raspberry Pi 3+やRaspberry Pi 4になると、もっと高性能のマイコンが搭載されていて、クアッド(4)コア/クアッドスレッドになります。 マイクロコントローラには、メモリ、CPU、GPU、通信モジュールなどがセットになって入っています。こういうLSIをSoC(System On Chip)と呼びます。 4.2 デジタル信号・アナログ信号 電気の世界における信号とは、時間とともに変化する電圧によって情報を表すことです。デジタル信号とは、2つの電圧によって0と1を表現したもので、例えば、0Vが0で3.3Vが1のように表現します。 実際の電子回路では、0を1V未満、1を2.5V以上のように、ある閾値(しきいち)を定めて判断しています。閾値とは境界となる値のことです。しかし、今は、そこまで意識する必要はありません。 アナログ信号の場合には、電圧の大きさで何かの大きさや量を表現します。例えば、部屋の明るさの場合には、光量を知りたいですよね。陽が昇れば徐々に明るくなり、陽が暮れれば徐々に暗くなります。夜中に電気をつければ突然明るくなったりもします。部屋の明るさを光センサを使って連続的に計測して電圧の変化に変換したもの、それがアナログ信号です。 4.3 GPIO 前回、Raspberry PiのGPIOについて簡単に説明しました。ここでは、入出力という観点からもう少し詳しく説明します。以下にGPIOのピン配置図を再掲します。 GPIOのピンうち、3.3V、5V、GROUNDは電源です。そのほかのピンにはGPIO 0のように、GPIOに続いて番号が記されています。これらGPIO 0からGPIO 27までは、入出力に使える汎用的なピンになります。これらの汎用的なピンは、プログラム中でデジタル出力にするかデジタル入力にするか、アナログ入出力にするかを決めることができます。ここではアナログ入出力は説明しません。 GPIOのピンをデジタル出力にすると、そのピンに3.3Vかけるか0Vにするのかを決めることができます。デジタル入力にすると、3.3Vであれば1、0Vであれば0という入力を受け付けることができます。 ピン配置図をみると、GPIO 2(SDA)のように番号の後ろにカッコ書きでキーワードが記されているピンがあります。これらは、汎用の入出力ピンであるとともに、特殊な役割を持ったピンということになります。今日はこれら特殊な役割については説明しません。 4.4 デジタル出力 GPIOを使ってLEDをプログラムから点灯させたり消灯させたりしてみましょう(点灯制御)。 回路図は以下のようになります。 GROUND記号になっているところはRaspberry […]

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3 Let’s Play with LED

October 2, 2020
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今回の講義の目標は、LEDを光らせることです。電子回路がどういうものかを体感してみましょう。 授業開始時に抵抗やLEDを配ります。 目次 3.1 電子回路 3.2 デバイス 3.3 LED 3.4 GPIO 3.5 LEDを光らせる 3.6 実習 3.1 電子回路 この講義では、マイコンボードを中心にした電子回路(electronic circuit)を作っていきます。電子回路とは何か、ということはあまり難しく考えないことにしましょう。ここでは、様々な電子部品を電線で結んだものとしておきます。当然、電気を流します。 もう少し正確に言うと、電子部品に電圧をかけて電流を流すということになります。電子部品は、電流が流れて初めて仕事をしてくれます。小学校の時に、豆電球を光らせる実験をしたことと思います。あれです。電流はプラス極からマイナス極に流れます。電線をうまくつなぐことで、電子回路を作ります。 電圧と電流 電圧の強さは、ボルト(V)という単位で表します。電流の量は、アンペア(A)という単位で表します。一般的に、電圧を強くすればするほど、電流は多く流れます。1.5Vの電池1つで豆電球を光らせるより、2つの電池を直列につないで3Vにした方が、豆電球は明るく光るのでしたよね。 しかし、電流を阻害するものがあります。それが抵抗です。プラスとマイナスの間に繋がれた抵抗が大きくなればなるほど、流れる電流は少なくなります。抵抗の大きさは、オーム(Ω)という単位で表します。 電圧と電流と抵抗の間には、有名なオームの法則という関係が成り立っています。電圧を E 、電流を I 、抵抗を R で表した時、以下の関係が成り立っています。 E = R × I これは式の変形を行うと、以下のようにも表せます。 I = E / R 多くの場合、電圧は決まっていて抵抗を使って電流を制御することになるので、 I = E / R の方が直感的に理解しやすいですね。つまり、抵抗 R (分母)を大きくすればするほど、電流 I は小さくなります。 では、逆に R をどんどん小さくしていくと、どんなことが起こるのでしょうか。 […]

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