Raspberry Piを外部電源で動かす
Raspberry Piを外部電源で動かす方法はいくつかあります。ここでは、できるだけ危険の少ない方法をいくつか検討します。剥き出しのリチウムイオンポリマー電池(LiPo battery)は危険なので、授業で作成するものに使ってはいけません。 モバイルバッテリーを使う これが一番安全で簡単な方法です。一つ注意しなければならないことは、モバイルバッテリーが供給できる電流(A)についてです。 モバイルバッテリーとRaspberry Pi Zeroの接続は簡単で、2つあるUSBのうち、PWRと印字がある、つまりいつもUSBケーブルをつないでいない方に接続します。 大概のモバイルバッテリーは出力として最大1A(アンペア)以上の電流を供給できるようになっています。1Aというのは最大値です。接続するデバイスがどのくらいの電流を要求するのかによって、実際に流れる電流は変わります。 Raspberry Pi ZeroはRaspberry Piの中では一番消費電力が小さいボードになります。Raspberry Pi Zeroに何もつなげていない場合には250mAくらいの電流が流れるようです。とういうことは0.5A(500mA)くらいの出力能力があるモバイルバッテリーであれば大丈夫である気がします。ただ、この辺は余裕を見ておくことに越したことはないので、モバイルバッテリーは1A以上のものにしましょう。現在販売されているモバイルバッテリーは、ほとんどこの条件を満たしていると思われますので、困ることはないでしょう。 接続例で使ったモバイルバッテリーの性能は以下のようになっています。 出力は5Vで1.0Aです。容量は2600mAhとなっています。Ah(アンペアアワー)は、電流と時間の積です。このモバイルバッテリーは、フル充電の状態からRaspberry Pi Zeroが260mAの電流を消費し続けると10時間で空になるということになります。実際にはもっと短い時間で動かなくなるでしょうね。 乾電池を使う 電池には色々な種類があります。まずは9Vの角形電池を使うことを考えます。Raspberry Piは5Vで動作します。よって9Vでは電圧が高すぎることになります。これを解決してくれるのが電圧レギュレータというものになります。電圧レギュレータは、単に9Vを5Vに減圧してくれるだけでなく、微細な電圧の乱れも取り除いてくれます。 電圧レギュレータは3端子レギュレータというICを使って自作することもできます。しかし、少し面倒なので簡単に利用できるボードを使うことをお勧めします。以下のような製品ですね。 https://www.switch-science.com/catalog/2243/ このレギュレータキットは、半田付けしなければならない部品が少しありますが、そんなに面倒ではありません。入力電圧は6V〜12Vですから9Vの角形電池が使えます。出力は5Vと3.3Vが選べるようになっています。 入力電圧が6Vということは、単3電池4本でも使えるということです。ただし、充電式の単3電池は1本1.2Vしかありませんので合計4.8Vとなり、使えない可能性が高いです。 同じような製品は秋月電子でも入手可能です。しかし、こちらは入力電圧が7.2Vから35Vとなっているので単3電池4本の場合には使えません。 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-12146/ 単3電池2本で動かす 単3電池2本では3.0Vしかないので、そのままではRaspberry Pi Zeroを動かすことはできません。3.0Vを5.0Vに昇圧するためのデバイスが必要となります。このようなデバイスを「昇圧DCDCコンバータ」などと呼びます。 ここでは例として以下の製品を使っています。ただし、これは現在スイッチサイエンスでは手に入らないようです。 https://www.switch-science.com/catalog/1872/ 写真ではUSBケーブルの部分が切れているのでわかりづらいかもしれませんが、DCDCコンバータからの出力はUSBケーブルでRaspberry Piにつながっています。 この例で使っているDCDCコンバータは出力電流が最大1.5Aとなっています。しかし、DCDCコンバータによっては、この供給できる電流の最大値が0.2Aくらいしかないものがあります。そのようなものは使えません。 秋月電子だと以下のような製品になると思います。 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-11212/ 昇圧DCDCコンバータで、出力できる電流が1Aくらいあるものとなると値段が高くなるのが辛いところです。 コイン型電池(ボタン電池)は3Vのものが多いです。試しにCR2032というよく見かけるコイン型電池とDCDCコンバータを組みわせてRaspberry Pi Zeroを動作させられないか試してみましたがダメでした。250mAの電流を供給できないようです。