9 実現可能性分析

今日は、開発プロセスのうちの2と3を行います。

  1. 企画(マップ作成)
  2. 部品リスト作成
  3. 実現可能性分析
  4. ブロック図作成
  5. 回路図作成
  6. 実装
  7. テスト

お知らせ: 1/20(木)にオンライン授業で最終作品の発表会を行います。1/20にうまく発表ができない場合のために、1/27(木)を発表予備日とします。あまり考えたくはないですが、1/27までは授業がある可能性があると予定しておいてください。

目次

  • 9.1 部品リスト
  • 9.2 実現可能性分析
  • 9.3 部品の購入と使用準備
  • 9.4 実習

9.1 部品リスト

使用する部品のリストを作ります。開発論で作成したスプレッドシートをベースとします。このリストには、使用する部品の具体的な製品を挙げます。

部品ごとに以下の情報を調べてください。

  • 部品の名前: 例えば「カラーセンサー」や「デジタルコンパス」など
  • 型番: 例えば「S11059-02DT」。秋月電子通商やSwitch Science、Amazon等で調べて型番を書きます。
  • 価格: 部品の価格を書きます。
  • URL: 秋月電子やSwitch Scienceにある部品のページのURLを書きます。

最後の行に部品リストの価格の合計を入れます。この合計の目安が2,000円ということになります。 Raspberry Pi や授業で配付した部品は部品リストに入れません。その他、抵抗やLED、厚紙、ビニールテープなどのありふれたものも入れません。抵抗、LED、CdS、トランジスタ、シフトレジスタといった細かい部品は、PCプログラムでいくつかのタイプのものを保管しているので、作品に必要でしたら問い合わせてください。

9.2 実現可能性分析

せっかく良いアイディアがあっても、モノが出来上がらないのではどうしようもありません。モノが出来上がらない理由は色々とあります。

  • 技術的に難しい
  • 金額的に難しい
  • 時間的に難しい

これらの事柄を検討することを実現可能性分析(フィージビリティ分析)と呼びます。

この演習の実現可能性分析では、部品リストに挙げられているデバイスを Raspberry Pi と組み合わせて使うことが可能かということを中心に分析します。

実現可能性分析のやり方

実現可能性分析でやらなければならないことは大きく分けて2つあります。

  1. Raspberry Pi で使用できるデバイスかどうか規格を調べる。
  2. Raspberry Pi で使うためのライブラリやサンプルコードがあるかどうかを調べる。

まず規格を調べます。 Switch Science や秋月電子でデバイスが説明されているページをよく読むと、ある程度のことは分かるはずです。規格で注意するべき点は以下のことです。

  • デバイスの動作電圧
  • マイコンとの通信規格

Raspberry Pi につなぐことができるデバイスは3.3Vで動作可能なものになります。また、GPIOに入力できる電圧も3.3Vまでになります。これを超える電圧をGPIOにかけると最悪Raspberry Piが壊れます。

秋月電子で購入可能な超音波距離センサーを例に見てみましょう。

https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-11009/

このページを見ると、「電源電圧」という項目に5.0Vと書いてあります。おそらくこのセンサから受け取る信号も5.0Vであると考えられます。こういうセンサは使えません。

通信規格としては以下のものがあります。

  • アナログ
  • デジタル
  • UART
  • SPI
  • I2C

アナログで通信するとは、センサから電圧の変化が直接出てくるということです。このタイプはADCを使ってデータを受け取れるので、ほとんど問題なく使えます。

デジタルで通信するとは、センサからデジタル信号が出てくるということです。この信号をマイコン側のデジタル入力で処理することになります。このタイプはかなり厄介で、ライブラリがなければうまく動かない可能性があります。

UART、SPI、I2Cの3つはシリアル通信の規格です。UARTが一番原始的な規格で、通信そのものは難しくありません。 Raspberry Pi で少し設定をすれば、あとはなんとかなります。SPIとI2Cは、もう少し高級な通信規格になります。こちらは複数のセンサをつなぐことが可能で、アドレスという概念があります。頑張ればライブラリが提供されていないものでも使えますが、できれば Raspberry Pi 用のライブラリが提供されていることが望ましいです。

実現可能性分析では、上記で説明したことの他に、 Raspberry Pi で使っている実績があるか、サンプルコードがあるか、性能は十分かなどを調査します。性能が十分かどうかは調査だけでは難しい面がありますが、ある程度推測できることはあります。

9.3 部品の購入と使用準備

実現可能性分析が終わって部品リストが確定したら、各自で部品を購入してもらいます。部品は来週12/16(木)に手元にあることが理想です。遅くとも12/23(木)には揃っているようにしてください。

12/16と12/23は、大学に来て演習を行うこともオンラインでMeetに接続して演習を行うこともできることとします。抵抗やLEDなど、PCプログラムで保管しているものが追加で必要な場合には大学に来て受けとってください。

プラスチックの箱や板、紙、磁石、布などのものは100均で買うと良いです。何を使うかまだ決まっていなくても、一度100均に行ってみると良いです。本当に何でもあります。

9.4 実習

今日は実験はありません。その代わりに、作成した部品リストと実現可能性分析の結果を教員に示して、その方向性でよさそうかのOKをもらってください。教員に見せた結果、修正を指摘された場合にはOKがもらえるまで修正を繰り返します。

報告1. 部品リスト

部品リストを提出してください。結果的に開発論で提出したものと一緒になってもかまいません。今日の聞きとりにより修正が生じた場合には、修正後の部品リストを提出してください。

報告2. 実現可能性分析

実現可能性分析でやったことをまとめて提出してください。

以下の情報を部品ごとにまとめてください。

  • 部品名
  • 部品の概要
  • 参考にしたWebページのURL
  • 参考にしたWebページのスクリーンショットを入れてください。

— by 飯田 周作、沼 晃介、石井 健太郎 専修大学ネットワーク情報学部